木造鶏舎を建てました(鶏声84号より)

2011年04月01日(金) 鶏声編集委員 増田

木造鶏舎を建てました。

     2010年12月 北海道 平岡 哲

 

養鶏を始めて10年(たぶん)の節目に・・・と思って木造鶏舎を作ろうと思い立ったのはもう4年前。予定ではおととしくらいに完成している筈だったのですが、こういう予定は大抵の場合倍ほど掛かってしまうもの。遅れ遅れて大体形になったのは去年の今頃であります。

それまではビニルハウス鶏舎でしたので冬の管理の楽なこと楽なこと。大雪の夜に安心して寝てられたのは初めての事でした。

夏場も違います。ビニルハウスでは日よけをして、どれだけ通気を良くしても外気温より高くなってしまうので暑い日の管理も大変でした。今年の夏の猛暑ではもしビニルハウスのままだったなら玉子への影響も大きかったでしょうから、良いときに完成したと思っています。

 

高い金を出して鶏舎を建てようと思ったのは、ビニルハウスで台風、大雪の被害を受けた時のトラウマでしょうか。もうあんな思いはしたくないというのが一番大きいですね。異常気象も当たり前になっていますから、今後何度も同じような被害があったとしたら、とても持ちません。どうせなら生きた投資をしなければ・・・。

 

まだ設計と見積もりをしている時、近所の人が山のカラマツをタダで倒して良いと言ってくれたので、柱に使う材はカラマツの丸太を使う事にしました。

伐採~皮剥き、面取りなどの作業で相当の時間が掛かりました。その上、重い生木を起こしては寝かし起こしては寝かしして調整したり動かしたり、人力で扱っていたせいで腕の筋肉(骨?)が参ってしまいました。

顔を洗おうと前に肘を曲げた腕の時重で骨がきしむ感じ。金属疲労で折れかけた鉄筋か、骨から筋肉がメリメリと剥がれていくような痛みです。

まともな力仕事は出来ませんから当時小学5~6年だった息子をかなりこき使いました。

疲労骨折も肉離れも専門医にそう宣告された経験が無いので正式な病名は分かりませんが(結局病院にも行ってない)3年が経ちかなり回復しました。

カラマツを使って浮いた資金は10~15万円ほどなのでそれが良かったのか悪かったのかは何とも言えません。

 

工法は、素人でも簡単に作る事が出来て内部に柱を立てる必要がないトラス構造を選択しました。これなら高所恐怖症の私でもあらかたの作業を地上で済ます事が出来ます。

 

建築費用を低くするためにはまず自分で建てるという事。時間は掛かるが、良くも悪くも納得いくものを建てる事が出来ます。失敗した部分も自分が納得すればそれで良いのですから。

素人では捗らないような部分は重機を持っている人や専門技術を持っている人に安く、短期間で作業をして貰いました。

地元の土木業者などに材料を業販価格で横流ししてもらう・・・などなど。

資金は農協からは借りたくなかったので国民金融公庫から借り入れました。

4間×14間、56坪の鶏舎を2棟。112坪で230万円です。

1年据え置き9年償還。近所の人に保証人をお願いするよりは少しくらい金利が高くなってもいいやと思って保証人なしで3%くらいの金利だったと思います。

 安いとは言えませんが、北海道における養鶏は雪の事を意識しなければならず、そりなりにしっかりした作りにしなければかえって高くつく結果となります。

 

この鶏舎を建て終わったらもう使う事がないのでエア工具などを購入せず、トラス屋根58枚の制作も玄能で全て済ませました。そのせいでさらに工期がずれ込み、1棟分の屋根を作り終えた所で本格的な冬を迎えてしまい、作業も春まで中断となる。

 

 

その後、屋根の設置~トタン張りまでを手伝って貰ったログビルダーの方が「使ってないから」とコンプレッサーとエアネイラ―を貸してくれたのですが、まあ作業の捗る事・・・。さらに玉子のお客さまで大工をしている人が「使わないから」と、コード付きのインパクトドライバーを貸してくれた事で飛躍的に作業のスピードは上がり、腕への負担も大幅に軽減されたのであります。

 

 教訓、買うべきものは買え。

エアネイラ―があれば1年早く仕上がりました。

 

そんなこんなで無事出来上がった鶏舎。以前使っていたビニルハウス鶏舎から引っ越してきた群れはロットが合わないので1区画が密飼い気味であるが特にツツキなどの障害は出ていません。

※ハウス1棟20坪に160羽飼っていたので現在の木造鶏舎では混んでる部屋なら1区画12坪に160羽入ってます。

今後導入羽数の変更で正常化させます。

これくらい密飼いするとハウスでは間違いなくツツキなどのトラブルになった筈ですが目立った毛食いすら出ないのは、鶏が好む環境を実現する事ができたと言う事なのでしょう。

 木の柔らかさというものは、人間が感じるだけで無くてきっと鶏にも良い影響を与えているのだろうと思います。

明るさもあるのではないかと思います。西側には桁の下に90センチの開口部(窓)を設けた以外は全て壁にして西日を遮りました。対してそれ以外の3面は、換気を重視して開口部を1.8mとしました。

窓ビニルはハウス資材を活用して全て巻き上げ式で、いつでも開閉可能としました。

天井排気を設置しなかったので窓からの換気は必須です。

トラスの設計図は道立林産試験場から構造計算に基づいた設計図を入手してその通りに制作したので計算上は大雪でも壊れないハズであります。

 あと、昔からやってみたかった「埋炭」をしてみました。

基礎の地束石を埋めるために掘り起こした溝の中、地束石と地束石の間に1棟当たり3か所、全部で6か所に、三角形の頂点に当たるように合計600キロの竹炭粉末を埋めました。

 ただ埋めるのではなくて、水を足しながらスコップで練り上げていきます。練って練ってして空気を追い出してカチンカチンの状態にします。

 ここで気付きました。これは巨大な電池の芯です。又は磁石ですね。

なるほど磁場をコントロールする理由はこういう事だったのです。

現に、埋めもどした後で埋炭した場所の上にコンパスをかざすと実際の方位とは関係のない方向を針が指すのです。

 なんとなく、鶏が落ち着いているように見えるのはこれらの事が相乗効果として良い影響を与えているのかも知れません。

北海道で屈指の寒さを誇るここ白滝です。私の知る限り、日本一寒い場所で鶏を飼っているという事になります!しかし、このような仕様の鶏舎でも、冬場のカロリーコントロールと鶏群のローテーションを工夫することでちゃんと玉子を産ます事が出来るのです。

 雪の重い地域だとトラスの設置間隔を狭くするなり垂木を太くしたりと仕様変更をする必要があるかも知れませんが、基本的にうちの仕様で殆どのケースをカバーできるようです。


こっそりブログをやってます。ブログの中でも鶏舎づくりの記事を書いていますのでこっそり参考にして下さい。

http://coke2.blog38.fc2.com/page-1.html



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